かかと落としが得意だった空手家、無職弟に包丁で刺され亡くなる

自宅で同居する兄を刃物を使って殺害しようとしたとして、秋田県警横手署は７日、横手市追廻、無職月沢敦容疑者（４１）を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕した。兄の飲食店経営、聡さん（４４）は搬送先の病院で死亡が確認され、同署は殺人容疑に切り替えて調べている。

同署の発表によると、月沢容疑者は７日午前２時５０分頃、自宅で同居する聡さんを刃物で刺して殺害しようとした疑い。「死ぬかもしれないと思ったが、包丁で兄を刺した」と話し、容疑を認めているという。

聡さんは３人兄弟で、両親との５人暮らし。三男が「次男が長男を刃物で刺した」と１１０番した。署員が駆けつけたところ、１階で聡さんが倒れていた。市内の病院に搬送されたが、午前４時頃に死亡が確認された。

聡さんはＪＲ横手駅近くで料理店を営んでいた。近隣住民らによると、聡さんは空手家で、気さくな性格だったという。事件前日に会ったという７０歳代の男性は「今年は雪が少なくて雪かきが減ったから少し太った、と話していた。事件に巻き込まれたと聞いて本当に驚いている」と言葉少なだった。

空手をする聡さんのことを知る男性は、一生懸命稽古に打ち込む姿が印象的だったといい、「かかと落としが得意だった。なんでこんなことで死ぬんだ」と肩を落とした。別の男性は「フレンドリーで、後輩の面倒見もよかった。地元のお祭りでもちょくちょく顔を見ていた。まだ若いし、突然のことでびっくりしている」と話した。